奥田亜矢子さんに再会して(SI新潟)

 11年ぶりにお会いした彼女は輝いていました。
 2008年度「女性に機会を与える賞」(WOA賞)のリジョン賞、新潟クラブ賞を受賞した奥田亜矢子さんに気が付いたのは、今年8月の終わりの24時間テレビの新潟版でした。偶然見た映像は、足に障がいを抱えた高校生が、多宝山から弥彦山まで縦走するという企画。頑張っている様子が放映され、その時々に応援するお母さんの姿が映し出されました。そのお母さんが奥田亜矢子さんだったのです。
 この度、佐渡市在住の亜矢子さんにお会いしてきました。
 当時、先天性脳性マヒの双子のお子さんをかかえ、生後間もなく佐渡に帰ってきた後に離婚も決まり、精神的経済的に大変な上、小学校就学の為の行政とのやり取りにも疲れ切っていました。それでも将来を見据え、美容室の経営と同時に着付けの資格を取るべく通信教育を頑張っている亜矢子さんを新潟クラブから「女性に機会を与える賞」に推薦させて頂きました。この賞を受賞したことが転機となり着付けの資格も取り終え、賞金を一部にして美容室も移転新築するなど前向きな人生を歩んでいます。
 今ではトライアスロンに参加する明るくたくましいお母さんになっていました。
 トライアスロンに挑戦するきっかけは双子の兄の柊君の一言からです。柊君は足に障がいがあるものの(妹さんは重度の障がいがある)、ある程度普通の生活を送れるため普通学校に通い、何事にも一生懸命頑張るお子さんに育ち、頼もしく思っていた小学校3年生のころ、運動会でマラソンを走る柊君に「頑張ってね」と亜矢子さんが何気なく発した言葉に、「頑張れ頑張れなんて言わないで。もうこれ以上は頑張れない。頑張れというのならお母さんの足を僕に頂戴!」亜矢子さんの心に突き刺さりました。「苦しかったね。ごめんね。お母さんはあなたに足をあげることはできないけれど、お母さんもこの足を使って走ってみるから一緒に頑張ろうよ。」
 その後、成長し充実した人生を歩んでいる柊君に「障がいがあるからと言って世間体を気にする必要はない。でも周りの人に支えて頂いていることには感謝しなさい。と言い続けているのです。」そう語る彼女の顔には笑顔があふれていました。

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niigata12.06.02

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